今回は前回の形に続き、組手編として親御さんへ伝えておきたい点をまとめました。
形編同様、応募用紙へ必要事項を記入して「とにかく相手よりポイントを取ればオッケー
なんでしょ!?」という考えも、決して間違いではないのですが、私個人の意見としては若干異なります。早速、”組手の試合”に関する要チェック事項をテーマとした記事をまとめてみました。
1 それぞれの大会で、それぞれの組手ルールがある
組手の大会といっても、当然同じ条件・ルールではありません。空手を始めたばかりの親御さんへわかりやすくお伝えするとすれば、ざっくり「防具があるか、ないか」にわかれます。これは流派においてもどちらの組手スタンスをとるかによります。よって、どの組手の大会に参加させるかという以前に、まずはその流派や道場での組手方針について、防具の有無の組手スタイルなのか、必ず道場の先生へ確認する必要があります。
また、防具つきの組手でも、さらにルールや使用可能な防具も変わってきます。『Aの組手大会では使用できても、Bの組手大会で使用できない』ということが、参加申し込み後に発覚した場合だと両方購入する羽目になります。昨今は防具も決して安くありませんので、そういった諸々を先ずは親御さん側で先生や参加経験者に確認することをオススメします。
2 本人の意思を確認することが最優先
また、何よりも『本人自身が組手の試合に本当に出たいのか?』という意思確認も必ず必要だと思います。私もついつい「自分ならもっとこう!」とか「大会に出たら、あーやってこーやって」とワクワクして対戦するイメージを妄想してしまうタイプですが、あくまでもこどもは別の一人の人間です。本人はあまり気乗りしないけど、親の期待を先回りして無理に大会に出ようとしていないか?周りの友達もみんな参加するから、流されてとりあえず出場しようとしていないか?しっかりと本人の意思確認が必要です。
試合時間自体は、見ている私たちにとってはとても短いです。他方、実際に戦っている本人たちの感覚は別です。緊張もしたり、普段からガチ勢のように毎日フェイスガードを被ってひたすら空手の練習にいそしんでいる子供たちばかりではないでしょう。よってたとえ時間が短くても身体の負担も大きいと思います。さらに連戦となればスタミナも必要となりつつ、スタミナや集中力が切れてくれば、怪我のリスクも増えていきます。どんな結果であれ、せめて本人の気持ちはしっかりと固めてから、試合コートへ送り出したいと思っています。
3 やっぱり組手も対戦カード次第、、、ではあるけれど
今年の春ごろ、都内で実施された大会でのお話です。上のお兄ちゃんが公式戦の組手に初参戦しました。ちょうど同学年で同じ道場の友達と2人での組手大会への挑戦です。このお友達、同学年でも道場の中で絶対的な組手の強さがあり、更なる修行の一環として都内の大会へ出場したようです。結果は、上のお兄ちゃんは1回戦で敗退。また友達も惜しくも2回戦で敗退しました。二人とも試合に負けてすぐの間はずっと泣き続けていました。親としては、逃げずに戦ったことや怪我がなく試合を終えたことが大きな成長だとほめる以外にはないと思います。テクニカルな話は、道場の先生に任せるとして。
さて、この話。実はオチがあります。出場選手は小学3年生と4年生という2学年区分です。総勢約40名のトーナメントでしたが、最終的に決勝戦の試合を見ると。。。。。。。
そうです、そのまさかですが、息子と息子の友達に勝ったそれぞれの相手が、なんと1位と2位だったんです!それも決勝戦がハイレベルな戦いで、お互いにまさに実力伯仲といった内容!
結果論ですが、お兄ちゃんの相手は準優勝。つまり初出場の組手の1回戦の相手が、実は準優勝の実力者でした。しかし、それなりに彼(準優勝者)からしっかりポイントを奪い、中盤までポイントもリードしていたくらいです。お兄ちゃんの友達も同様に、2回戦でこの優勝者に負けはしたものの、ポイントをしっかり相手から奪い、抜きつ抜かれつといった互角ともいえる試合運びをしていました。これだって、終わってみれば凄いことですよね!?先の形編でもお話しましたが、まさに優勝候補と試合ができた訳です。裏を返せば、お兄ちゃんやその友達も今後の組手の大会に出たときに、『アレ?この間のやつよりも何かプレッシャー少ないぞ?俺、やれちゃう?』という自信につながるのではないでしょうか?(過信は困りますが・・・)。トーナメントの組み合わせ次第で、これからも1回戦負けの時もあるでしょう。その時に、結果だけではなくしっかりと内容を見届けることも親として忘れたくないものです。
それでは今日のまとめです。
- 大会で決められている組手ルールと参加条件・道具制限は、必ずチェック!
- そもそもの本当に出たいのか、なぜ出たいのかという意思確認!
- 対戦カードはやっぱり時の運、しかし結果以外のことも親として見届ける!
真夏の道場で、フェイスガードをつけながらの組手の練習や試合は、大人が思っている以上に体力を消耗します。水分補給や過呼吸防止のため、適度な休憩と水分補給をして、暑い夏を乗り切りましょう!
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